2007年7月10日火曜日
鷲尾和彦氏特別授業レポート
鷲尾和彦氏特別授業
「写真を観る/メディアを観る」
鷲尾さんは、お二つの顔をお持ちです。ビジネスマンでありアーティストである自分は分裂症ではないかという自己紹介から始まりました。
鷲尾さんが手がけられた広告の仕事として、ショートフィルム、ミニテレビ番組、Webなど、CM以外での商品との出会いのデザインをされた多彩な事例が紹介されました。
また、近年のメディア環境研究所での研究の一端を紹介いただきました。
写真家としての作品として、『INDIAN SUMMER』、『極東ホテル』、『Portraits Of Future』の各シリーズの写真が紹介されました。これらのシリーズは撮影対象は違っても、どれもボーダー(境界)をテーマにしたものであることが語られました。
ユニークなのは、コミュニケーションデザイン三角形構造で考えるというお話です。最終的な作品や成果として三角形の頂点だけを見ていると急激な変化にあわてがちです。しかし、大切なことは、その下にある底辺部分、文化や風土といった大きな部分がより重要であることが、三角形の図でよく理解できました。
鷲尾さんの活動は、表面的には分裂しているように見えるものの、「社会をデザインする」という面で共通しています。
終始真摯な態度で言葉を出された鷲尾さんのお話は、普段から作品制作をして将来の希望と不安を抱えている学生にとって、よい刺激になったと思います。
日時:2007年6月14日(木)11:20より
場所:MA303教室
鷲尾和彦 WASHIO KAZUHIKO
写真家/メディアプロデューサー
兵庫県出身。早稲田大学教育学部卒業。
株式会社博報堂にてストラテジスト、メディアプロデューサーとして様々な企業の広告プロモーションを手掛ける一方で、20代後半から独学で写真活動に取り組む。2002年「ヤングポートフォリオ」選考(清里フォトアートミュージアム永久所蔵)。2003年東京写真文化館主催TPCCアワード受賞。2006年7月ガーディアン・ガーデン主催の『フォトドキュメンタリーNIPPON2006』に選考され、同ギャラリーにて写真展『極東ホテル』を開催、合わせて同タイトルの写真集を2006年11月に発売。
鷲尾和彦ウェブサイト: http://washiokazuhiko.jp